日本のAmazonや中国AliExpressでEU宛にオンラインショッピングするとVAT課税はどう変わるのか?

本日、2021年7月1日から、EUの「VAT 電子商取引規則についての注釈」の新たなルールが施行されました。

EU加盟国の税関では、7月1日以降に通関される荷物の課税ルールが変わります。どのように変わるのか、簡単に表にすると次のようになります。

価額これまで2021年7月から
1 €~22 €*まで免税VAT課税+通関手数料
22 €*~150 €までVAT課税+通関手数料VAT課税+通関手数料
150 €を超える場合関税&VAT課税+通関手数料関税&VAT課税+通関手数料
*ただし、国によっては、22 €よりも低く設定されている場合があります

VATとは付加価値税のことで、英語でValue-added tax、フランス語ではTaxe sur la valeur ajoutéeでTVAと表示されますが、日本の消費税みたいな感じでお会計の時に課税されるものです。

フランスのVAT(仏:TVA)の税率は標準税率20%を筆頭に、10%、5.5%、2.1%の4種類ありますが、海外通販で買うような品物はほとんど20%かなと思います。

これからは、EU圏外からオンラインショップなどで個人輸入する場合、これまであった22ユーロの免税範囲がなくなり、安価なものであっても1ユーロから課税されます。

(でも、例えばフランスは数年前からこの22ユーロの免税範囲は撤廃されており、他の国でも22ユーロよりも低い価格に設定されているところもあります。)

そこで、自分のよく使うアマゾン(Amazon co.jp)とアリエクスプレス(AliExpress)でどのような変化があったのか、直近の買い物を例題にご紹介します。^^

詳しくは、以前のブログもご覧ください:
2021/5/5「2021年7月からEU宛に海外通販で買い物をする際の課税について(個人輸入)

こちらには輸入税等前払金やTVA税率のことなども書いています:
2020/7/31「日本のアマゾンで海外宛にマスクを買ってみました

日本のアマゾン(Amazon co.jp)でフランス宛に買い物する場合

まず結論から言うと、こちらは想像どおりでしたが、7月1日の前後では、フランス宛の場合は何も変化がありませんでした。^^

日本のアマゾンでフランス宛の海外配送の注文をすると、AmazonGlobalという扱いになります。これは、通関時の関税・付加価値税・通関手数料などの見積額がレジ清算時に表示されて、通関業務を自動的に行ってくれるのでとても便利です。

でも、このAmazonGlobalは一部の国や地方を対象としているサービスで、実はアマゾンの海外配送には「関税後払い配送」と「AmazonGlobal海外配送」の2種類の配送オプションがあります。

配送オプションが「AmazonGlobal海外配送」(関税先払い)の場合

フランス宛などAmazonGlobal海外配送の対象地域の場合は、輸入にかかる税金や手数料はお会計時に前払いしていますので、7月1日に施行されたEUの電子商取引にかかる新ルールの大きな影響はありません。

ただ、少額免税範囲があった国の場合は、その免税枠がなくなることになります。

【対象の宛て先】
アイルランド、アメリカ合衆国、アラブ首長国連邦、イギリス、イスラエル、イタリア、インド、インドネシア、ウルグアイ、エジプト、エストニア、オーストリア、オマーン、オランダ、カタール、カナダ、韓国、キプロス、ギリシャ、クウェート、コスタリカ、コロンビア、サウジアラビア、シンガポール、スウェーデン、スペイン、スロバキア、スロベニア、タイ、台湾、チェコ共和国、チリ、中国、デンマーク、ドイツ、トルコ、ノルウェー、バーレーン、パナマ、パラオ、ハンガリー、フィリピン、フィンランド、プエルトリコ、ブラジル、フランス、ブルガリア、ベネズエラ、ペルー、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、香港、マルタ島、マレーシア、南アフリカ共和国、メキシコ、モナコ、ヨルダン、ラトビア、リトアニア、リヒテンシュタイン、ルーマニア、ルクセンブルク

配送オプションが「関税後払い配送」の場合

こちらは、荷物の受取人が輸入にかかる税金や通関手数料などを支払う必要があります。この場合は、EUの免税範囲がなくなってしまったことで課税される機会が増えたことになります。

【対象の宛て先】
アイスランド、アゼルバイジャン、アルジェリア、アルバニア、アルメニア、アンゴラ、アンドラ、ウガンダ、ウクライナ、ウズベキスタン、エクアドル、エチオピア、エルサルバドル、ガーナ、ガイアナ、カザフスタン、ガボン、カメルーン、カンボジア、キリバス、キルギスタン、グアテマラ、グアム、クロアチア、ケニア、サモア、ザンビア、シエラレオネ、ジブチ、ジャマイカ、ジョージア、ジンバブエ、スリナム、スリランカ、スワジランド、セーシェル、セネガル、ソロモン諸島、タジキスタン、タンザニア、チュニジア、トーゴ、ドミニカ、トリニダード・トバゴ、トンガ、ナイジェリア、ナミビア、ニカラグア、ニジェール、ネパール、ハイチ、パキスタン、バヌアツ、パプアニューギニア、パラオ、パラグアイ、バングラデシュ、フィジー、ブルキナファソ、ブルネイ・ダルサラーム国、ベトナム、ベナン、ベラルーシ、ベリーズ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ボツワナ、ボリビア、ホンジュラス、マケドニア、マダガスカル、マラウイ、ミャンマー、モーリシャス、モーリタニア、モザンビーク、モルディブ、モルドバ、モロッコ、モンゴル、ラオス、ルワンダ、レソト

現在のEU加盟国

ちなみに、現在のEU加盟国は27カ国だそうです。

Allemagne(Germany)、Autriche(Austria)、Belgique(Belgium)、Bulgarie(Bulgaria)、Chypre(Cyprus)、Croatie(Croatia)、Danemark(Denmark)、Espagne(Spain)、Estonie(Estonia)、Finlande(Finland)、France(France)、Grèce(Greece)、Hongrie(Hungary)、Irlande(Ireland)、Italie(Italy)、Lettonie(Latvia)、Lituanie(Lithuania)、Luxembourg(Luxembourg)、Malte(Malta)、Pays-Bas(Netherlands)、Pologne(Poland)、Portugal(Portugal)、République tchèque(Czech Republic)、Roumanie(Romania)、Slovaquie(Slovakia)、Slovénie(Slovenia)、Suède(Sweden)。

国名は、左側がフランス語、かっこ書きが英語です。例えば先頭のドイツは、フランス語はアルマーニュで、英語はジャーマニーなので、全然違います。オランダも全然違うんですが、どれか分かりますか?^^

2021年6月~7月のフランス宛のアマゾンでのお買い物

6月26日に日本のAmazon co.jpでフランス宛に注文したものがあって、当初は「お届け予定:6/30~7/2」となっていました。

今回の発送もDHLで、東京~香港~どイツ・ライプツィヒ~ベルギー・ブリュッセル~フランスという旅路でしたが、DHLサイトでは7/1配達予定、アマゾンの追跡では7/3配達予定となっていましたが、実際には6/30に配達完了となりました。

というわけで、今回は注文後4日で配達となりましたが、配達されるまで家でじっと待っているのも嫌なので、DHLのウェブサイトで配達先を自宅住所から荷物中継店に変更しました。なので、明日取りに行く予定です。^^

図らずも6月中に届いたわけですが、7月以降の配達だったかもしれないのに、アマゾンの注文画面では何ひとつ以前と変わるところはなかったと思います。

中国のアリエクスプレス(AliExpress)でフランス宛に買い物する場合

今回の法改正の目指すところは、まさに中国からの荷物の課税逃れを防ぐことにあると思うので、AliExpressのほうは、7月1日の前後でずいぶんと変わりました!

わたしはこれまで日本の実家宛や妹宛に10回以上買い物していますが、フランス宛に注文したことはありません。それに、当初必要だったパルスオキシメーターや非接触体温計などコロナ関連グッズも入手済みなので、この頃は買うべきものもなく、しばらくAliExpressから離れていました。。

これまでの追跡結果はこちらです:
4/8「AliExpress(アリエクスプレス)での買い物の追跡まとめページ(2021年)

ところが、最近夫がスマートウォッチをHonor Band 5からHuawei Watch Fitに買い替えて、最初に付いているシリコンバンドはかゆくなるので替えバンドが欲しいとAmazonで調べていたんです。

時計自体はHuaweiのオフィシャルサイトの購入でしたが、Amazonの第三者セラーの替えバンドは中国製品なのに結構高いので、7月になったらAliExpressで探してみようと思っていました。なぜ7月かと言うと、TVA込み価格で買えるようになったら高額な通関手数料の支払いの心配がないからです。^^

HUAWEI(ファーウェイ) Watch FIT スマートウォッチ カスタマイズウォッチフェイス 血中酸素レベル測定 文字盤サイズ1.64インチ 軽量34グラム Graphite Black【日本正規代理店品】

7月1日のAliExpressのトップ画面

AliExpress top page in French

今日AliExpressの宛先をフランスにしてアクセスしてみると、トップ画面にスペシャルクーポンコードとTVAについてのお知らせが表示されていました!

AliExpress promo coupon code in July 2021 juillet

7月1日~7月21日まで、20 €以上で使える3 €引きクーポンと、5 €以上の買い物で1 €割引されるクーポンコード「REMISE1」、20 €以上で3 €引きの「REMISE3」があります!

ただし、日本では利用対象外なのであしからず、、

Qu'est-ce que ça change sur AliExpress ?

7月1日からAliExpressはどう変わるのかというページもあります。

簡単に言うと、AliExpressはIOSS(Import One-Stop Shop、輸入ワンストップショップ)に登録していて、150ユーロまでのお買い物はAliExpress側で会計時にVAT(仏:TVA)をあらかじめ徴収し、150ユーロを超える場合(=関税が掛かる金額)は個人では買い物できなくなりました。

この150ユーロを超える場合の扱いについては知りませんでしたが、たぶん以前はそんな制限はなかったんじゃないかと思います。

こちらは宛て先の入力画面ですが、150ユーロを超える買い物の場合は、VAT ID(VAT identification number、付加価値税登録番号)と法人名の入力が求められます。

なので、もう個人ではどうしても買うことができません。。

ためしに、購入候補のHuawei Watch Fitの替えバンドをショッピングカートに入れてみると、ちゃんとVATが徴収されるようになっていました!

この商品の場合、商品の値段が8.72 €で、フランスまでの送料は無料です。

【計算A】
商品+送料=8.72 €
(約1177円)
VAT徴収額:8.72 € × 20%=1.744 €
(約234円)
支払額合計:8.72 €+1.74 €=10.46 €
(約1412円)

【計算例B】
商品+送料=8.72 €
(約1177円)
割引クーポン:1 €
(約135円)
割引後:8.72 €-1 €=7.72 €
VAT徴収額:7.72 € × 20%=1.544 €
(約207円)
支払額合計:7.72 €+1.55 €=9.27 €
(約1251円)

今回の例は送料無料の商品ですが、VATの算出には商品代金と送料を足したもので計算します。(保険を掛けていれば、保険代も足して計算します。)

元々の値段がAliExpressの場合はドル建てだからか20%の四捨五入で誤差が出ていますが、お会計のところでVATの20%分がAliExpress側で加算されて表示されています!

とりあえず、AliExpres側の手数料とかは上乗せされていないので安心しました。^^

この場合、会計時にVATを事前徴収することですでに課税済みとなるので、EUに入ってきてもそのままフリーで配達されると思います。そのためか、配達先を選ぶ際に、自宅受け取り以外に、街に点在する荷物中継店を選ぶこともできるようになっています。

まとめ

2021年7月1日から、EUでは電子商取引にかかる付加価値税の改正ルールが施行され、IOSS(輸入ワンストップショップ)が始まりました。

オンラインショッピングの1 €~22 €までの少額免税枠がなくなり、1ユーロからVAT(付加価値税)が課税されます。

今年1月1日からは世界的に「通関電子データ送信義務化」も始まっていますので、これまでみたいに税関で見逃してもらうということは難しくなっているかもしれません。

個人輸入する側としてはもれなく課税されることになりましたが、日本のAmazonから購入する場合で宛て先国がAmazonGlobal海外配送対象の場合は、輸入にかかる税金は先払いなので、これまでと変わりがありません。(ただし、少額免税範囲内での買い物ができていた国の人は、これからできなくなります。)

中国のAliExpressから購入する場合は、個人の買い物は150 €までとなり、お会計の時にAliExpress側がVATを代理で事前徴収することになりました。少額免税枠がなくなりましたが、現地の郵便局等に通関手数料を払う必要がなくなったのは安心材料だと思います。

ちなみに、通関業務を担うフランスの郵便局La Poste(ラポスト)の通関手数料が、最近しれっと安くなりました。「通関電子データ送信義務化」に伴い、職員の入力業務が軽減されたからかもしれませんね。

これから、中国来のEUへの個人輸入は増えるのでしょうか、減るのでしょうか。わたしに限っては、通関手数料の支払いの可能性がなくなったことで、購入のハードルは以前より低くなりました。

消費者としては安く買いたいけれど、EUの地場産業にも頑張ってほしいので、なかなか難しい問題です。。

フランスの「通関電子データ送信義務化」について、こちらもよかったらご覧ください:
6/18「LA POSTE:フランスから日本へ荷物を送る時の通関電子データ送信のやり方(購入を伴う場合)

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